ITシステムを外部の開発ベンダ等に委託して構築する際のプロジェクトマネジメントについて、発注者側/受注者側の両方の視点から、情報発信していきます。

(「作業項目管理(WBS)」をまだ読まれていない方は、先にそちらからお読みください。)

作業項目の洗い出し(WBS)と並行して、マスタスケジュールを作成します。


※画像をクリックすると拡大されます。
※本スケジュールはあくまでサンプルです。プロジェクトによって必要な作業項目も各作業期間も異なります。

WBSの作業項目と同期させながらスケジュールを作成していきますが、より上位の作業項目からスケジュールを引いていきます。
また、本稼働・試行運用・他社システムとの連携テストといったより多くの(外部の)関係者に影響するようなイベントを目安にまずは引いていきます。こういった上位のスケジュールは、簡単に変更できないので十分な検討が必要です。

WBSでレベル分けをして作業項目を洗い出していますが、より上位のスケジュールほど、スケジュールの変更が許されなくなります。

プロジェクトが実際に始まると、プロジェクト当初に想定できていない作業項目も当然出てくるのですが、通常これは下位のレベルの作業項目なので上位のスケジュールに影響を及ぼすものではありません。
逆に言えば、より上位のスケジュールに影響を及ぼす作業項目が判明してしまった場合は、当初の作業項目の洗い出しが十分でなかったことになります。もちろん、後の工程に進んでから判明するほど、プロジェクト運営に致命的な影響を与えてしまいます。

あと、重要なポイントとして、プロジェクトのメインメンバーでない人(例えば各業務の担当者など)が関係する作業項目(各業務の要件定義など)は、もちろん関係者のスケジュールの調整が必要ですし、マスタスケジュール上も長めに(余裕をもって)引いておく必要があります。

また、作成したマスタスケジュールは関係者全員に配布して共有しておきます。
プロジェクトが進んでくると特に目の前の作業に没頭しすぎてスケジュール意識が希薄になるため、マスタスケジュールを脅かすような遅れが起きかねません。
「ここまでにこれは絶対に終わっていないといけない」という大事なイベントは必ず関係者全員が意識して作業を進めないと、安定したプロジェクト運営にはなりえません。

プロジェクト運営に大きく影響するマスタスケジュールの作成は、慎重に検討が必要です。

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