ITシステムを外部の開発ベンダ等に委託して構築する際のプロジェクトマネジメントについて、発注者側/受注者側の両方の視点から、情報発信していきます。

発注者側にとって、ITシステムの構築を委託する企業を選ぶのはとても重要な業務です。委託する相手によって、システム構築プロジェクトの運営も変わり、しいては構築するシステムの品質にも大きな影響があります。

しっかりとしたプロジェクト計画を立て、受注者に対しても必要な作業はきちんと依頼するなど、プロジェクト運営を主体的に行うシステムベンダもあれば、受注者が一から十まで支持しないと動かないようなシステムベンダもあります。もっといえば、同じシステムベンダでも担当者によってプロジェクト運営が変わってくることも珍しくはありません。

そのため、委託先を選定するのは慎重に行わないといけないのですが、どういう基準をもって選ぶべきなのかも難しい問題です。プロジェクトの性質(発注者側の体制・スキル、構築するシステム、予算・スケジュール等)によっても、重要視すべき点が変わってきます。

一概に選定基準を決めることは難しいですが、過去に作成した資料からプロジェクト固有の要素を外すなどの編集を行ったものをサンプルとして挙げてみます。他のプロジェクトにおいても、流用できる要素はあると思います。



※画像をクリックすると拡大されます。
※上図はサンプルの抜粋です。サンプルファイルはここからダウンロードください。

サンプルの評価基準項目は、大きく以下の4つに分類されています。
実施体制プロジェクトに参加する企業/担当者が求める経験/資格を満たしているか
プロジェクト運営作業スケジュールや品質管理指標など、正常なプロジェクト運営に必要な事項がきちんと定められているか
システム開発提案するシステムが発注者の望む仕様を満たしているか
運用保守システム稼働後の安定稼働のための保守作業やトラブル発生時の対応について、発注者の望む仕様を満たしているか


プロポーザルに参加する企業より、提案書の提出、プレゼンテーションの実施、提案内容ヒアリングなどにより、これらの評価項目の評価を行い、見積金額などを加味して最終的な委託先を決めていくことになります。

各評価項目の評価(採点)について、何をもって評価するか(評価の根拠)を具体的に明示するのはなかなか難しく、実際問題として採点者の裁量に委ねられる部分は少なくないと考えています。システムに求める機能などの評価にあたっては、実際にシステムを利用する部門に協力を求めるなど体制的な対応も必要かもしれません。

また、官公庁などのプロポーザルなど公平性が求められる場合、評価基準や評価項目ごとの採点の配分などを事前に明示しておくことば必要なことがあります。(実際問題としては、上記の通り評価者の裁量に委ねられる部分が大きいので、公平性というのがどこまで担保できるかは難しいと認識しています。)


蛇足ですが、プロポーザルで委託先を選ぶのと、人事で新たに採用を行うのともしかしたら似ている部分があるのかもしれないですね。(人事のことは詳しくないので想像ですが。)
上記の評価項目の例だと
  • 実施体制は、経歴
  • プロジェクト運営は、人柄
  • システム開発は、スキル
といったところでしょうか。


人材採用でもミスマッチが起きてしまうことがありますが、プロポーザルでの委託先選定でもできるだけミスマッチが起きないよう評価項目や評価基準の選定は十分検討が必要と考えます。

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