ITシステムを外部の開発ベンダ等に委託して構築する際のプロジェクトマネジメントについて、発注者側/受注者側の両方の視点から、情報発信していきます。

議事録は、会議終了後速やかに(通常は翌日、遅くとも3日以内)作成されるものと考えていますが、担当者によっては守られないことも見受けられます。
大手開発ベンダーに議事録提出を求めた時など「決裁を取るのに時間がかかる」といった理由で議事録提出が1週間後になるということもあります。

そもそも、議事録作成の目的はなんでしょう?

まず、最初に出てくる答えとしては
「会議で協議した内容を記録に残しておくため」
でしょう。

では、なぜ会議の内容を記録に残しておく必要があるのでしょう?
「人の記憶はあいまいだから、後で会議の内容を確認するため」
でしょうか?
プロジェクト運営の中で、受注者・発注者間で「言った・言わない」と揉めることもありますし、もちろん協議内容を記録しておくのは大事なことです。

協議した内容を記録に残す目的はそれだけでしょうか?
少し考えてみてください

もし、それ以外の目的が思いつかないようであれば、議事録作成の目的の半分しか理解できていないことになります。

議事録作成の目的としてもう一つ大きなものがあります。
それは、
「関係者間の認識を合わせ、今後の方向性を合わせる」
ということです。

会議で話し合ってお互いの認識があったつもりになっているかもしれませんが、ひとそれぞれで受け止め方が違っている可能性があります。
そのため、議事録という文書でお互いの認識に齟齬がないかを再確認するのです。
「こういうことを決めたよね」
「これが宿題だよね」
「これが懸念事項としてあるね」
というのを関係者が認識を合わせたうえで次の作業に進んでいくものです。

目の前に宿題があるとまずそれに手を付けたくなるかもしれませんが、お互いの認識が曖昧なまま進めてはいけません。もしそれが担当者の認識違いだとすると、違う方向に進んでしまい作業自体が無駄になってしまう可能性があります。

そのため、まずは議事録を作成してお互いの認識を合わせてから作業を進めるのが正しい仕事の順序です。

その目的が理解できていれば、議事録が1週間後になるということはあり得ないのです。

決裁が必要というのであれば、先に担当者間で議事録を確認しあってから決裁をすればいいだけです。1週間後に議事録が回覧されてもその時には既に担当者の記憶が薄れてきてしまうので議事録のチェックも曖昧になり、議事録の目的が十分に達成できなくなってしまいます。

くれぐれも議事録作成自体が目的とならないようご注意ください。
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