ITシステムを外部の開発ベンダ等に委託して構築する際のプロジェクトマネジメントについて、発注者側/受注者側の両方の視点から、情報発信していきます。

言うまでもないですが、プロジェクトを進めていくうえで発生する課題(QA、ToDo等含む)の管理は必須です。
レベルの差はあっても、どのプロジェクトでも何かしらの課題管理はされているでしょうから基本的なことは省略して、ポイントとなりそうなところだけ書きます。

課題を管理するための課題管理表のサンプルを以下に示します。

※画像をクリックすると拡大されます。

プロジェクトによって課題管理表に記載する項目は変わってくるでしょうが、主な項目としては以下のようなものになります。
・No.
・件名
・起案者(質問者)
・発生日(質問日)
・内容
・状況/回答/対応
・完了日

その他、プロジェクトによっていろいろ項目を増やして管理されていると思いますが、あまり増やしすぎると管理が大変になってしまうので注意が必要です。

上記の課題管理表のサンプルでは、例によって「関連WBS」を入れています。
それぞれの課題がどの作業に関連するかを明確にしておくためです。
各WBSの作業に対して課題が多くなってきたら、そのWBSの作業は注意信号が出ているということになります。

あと、細かな話ですが上記サンプルでは、「No.」の欄を2段(2列)にしています。
基本的に課題は1件1葉にすべきですが、関連する課題がまとめて発生する場合もあるので必要に応じて枝番を付けられるようにしています。
このあたりは好みの問題なので使いやすい形でよいと思います。

また、プロジェクト序盤で課題が少ないときはよいですが、プロジェクト中盤以降になって未完了の課題が増えてきたときに、どの課題を優先するかといった問題が出てきます。
優先順位のつけ方は一般的にはその課題の重要度で判断していくわけですが、重要度のつけ方は担当者(発注者・受注者や業務ごとの担当者など)によっても変わってくるため、「どの課題も重要だ」となりがちです。
その時に一つの指針として考えていただきたいのは、「関連WBS」です。その課題がどの作業に影響するもので、その作業をいつまでに終えないといけないものなのかを全体的に判断して優先順位をつけていくわけです。

そのためにも、プロジェクト運営には「WBS」や「マスタスケジュール」を関係者全員が認識し共有しておく必要があるわけです。
これらが共有できていないと自分の担当(関連)する目の前の課題しか見えなくなり、関係者間の合意がとりにくくなってしまうわけです。

最後に、課題管理はあくまでもプロジェクトを成功に導くためのあくまで手段であって、課題管理が目的でないことも意識しておいていただければと思います。

なお、上記のサンプルは以下からダウンロード可能です。
課題管理表サンプル(EXCEL形式)
適宜カスタマイズしてご利用ください。

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