ITシステムを外部の開発ベンダ等に委託して構築する際のプロジェクトマネジメントについて、発注者側/受注者側の両方の視点から、情報発信していきます。




プロフィールにも書いていますが、私は過去にSEをしていました。
その時は「顧客の言うことは絶対」という雰囲気で、顧客の無理難題に悩まされとても苦労しました。

今は何の因果か発注者側として仕事をしています。
SE時代に発注者に泣かされた経験があるためSEの事情を考慮もしつつ、一方でやってもらうべき必要なことはきちんと伝えるよう努めています。
SEの時にも感じていましたが、やはり発注者と受注者が協力してシステムを構築していかないと、お互いに良い結果は得られません。


今やITシステムはどの仕事をしていても無関係ではいられないようになっています。
自分には関係ないと思っていても、いつ自分がシステムを「発注」する立場になるか分かりません。

その時に「自分はITシステムのことが分からないから、システムベンダに任せておけばいいや」としてしまうと、予算や納期がオーバーしてしまったり、求められる品質に届かなかったりということが起きてしまいます。
自分たちで使うシステムなのだから、少しでも良いシステムにするためには、システムベンダに任せきりにするのではなく、発注者として最大限の努力をすべきです。


『システムを「外注」するときに読む本』は、発注者側としてのやるべきことが分かりやすく書かれています。
ストーリー仕立てのため、読みやすいですし理解もしやすいです。

また、本書はシステムを発注する人向けに書かれていますが、逆にシステムを受託するSEにも参考になります。
発注者に対して「こういう協力をしてもらえれば、よりよいシステムが作れる」と提案していければ、発注者とより信頼関係を高めていけると思います。(そういう提案を受け入れてくれない発注者は、そうそうに引き上げることをお勧めします。)


本書を読んで改めて感じたのは、ITシステムのプロジェクトで一番大切なのは、受注者と発注者の信頼関係だということです。
信頼関係を高めていくためには、お互いが対等の関係に立って、本音でのコミュニケーションをとっていくことが必要と思います。どうも「お客様は神様だ」と言わんばかりに発注者の強引さに振り回されることが多いですが、受注者もより良いシステムを作るために必要なことは言いにくいことでもきちんと発注者に提言すべきですし、発注者としてもそれを受け入れて発注者としての必要な努力は行うという態度で臨むべきと考えます。


本書に書かれている考え方が世間一般に広まっていくことで、溢れている受注者・発注者間のトラブルが減り、IT業界全体としての明るい将来が訪れるといいなと思っています。
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