ITシステムを外部の開発ベンダ等に委託して構築する際のプロジェクトマネジメントについて、発注者側/受注者側の両方の視点から、情報発信していきます。

(「作業項目管理(WBS)」をまだ読まれていない方は、先にそちらからお読みください。)

プロジェクトが順調に進んでいるかどうかの進捗管理はもちろん大事なのですが、発注者は受注者にまかせきりになっていることが多いです。
発注者は受注者からの「順調に進んでいます」という言葉を信じていたが、実態は遅れていて後々問題が発覚すると言うことはよくあります。

発注者は受注者任せにすることのないようにきちんと管理が必要です。

進捗管理は、WBSをベースに行います。


※画像をクリックすると拡大されます。

上図を見ていただくと「作業項目管理(WBS)」で示した図にはない「成果物(インプット・アウトプット)」という項目があることが分かります。
これは
  • インプット:各作業を始めるにあたって必要なもの
  • アウトプット:各作業が完了したときの成果として作成されるもの
となります。
つまり、各作業を実施していくことで、インプットからアウトプットを生み出していくわけです。

各作業の進捗度合いは、アウトプットの作成度合いで考えます。
目次がある文書で考えるなら、「□章△項まで終わっているから○%」といった感じでできる限り客観的に分かる指標にします。
これなら、受注者が「○%まで終わりました」という証拠として途中まで作成されているアウトプットを確認出来るため、発注者側でも実態が把握しやすくなります。

また、例えば上記の例で「現行業務ヒアリング」について、アウトプットが「ヒアリング結果シート」となっていますが、このアウトプットを作成するためには、ヒアリング準備や実際のヒアリングを行わないと「ヒアリング結果」が作成出来ないため、それまでは0%なのかと思われるかもしれません。
しかし、こういう状況は踏み込み方が甘いために生まれていると考えられます。


※画像をクリックすると拡大されます。

上記のようにより踏み込んで、WBSをより下位まで明確にしていくことでより正確な進捗管理ができるようになります。

人によっては、ここまで細かく書くのはしんどいなと思われるかもしれません。
実際問題、ここまで細かく定義して(書面に残して)やることは希かもしれません。
(発注者・受注者双方の同意がないとできないことでもあります。)
ただ、少なくともここまでの細かな流れをイメージして作業を進めていかないと、プロジェクト運営は行き当たりばったりになってしまいます。
当初の作業量の見積もここまでの細かな作業を明確にしておかないと正確な見積もできないでしょう。

面倒に感じても、出来るだけ細かくWBSを定義しておくようにすることをお勧めします。
タグ

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

フリーエリア

編集にはIDが必要です